ICOの成熟化、ポイント制度的サービスコミュニティー参入と台頭の可能性:DMM Bitcoin代表(田口 仁)

▼BO始めるならココ▼

DMM Bitcoin 田口仁

株式会社DMM Bitcoinの代表をいたしております田口仁です。前回は、仮想通貨が通貨としての振る舞いをするにあたる変化の方向性の一つとして、ステーブルコイン(価格変動が小さく価値が一定の仮想通貨のこと)の台頭というシナリオが現実化した場合の仮想通貨やトークンを取り巻く環境の変化の方向性についてご紹介をしました。個人的な理解を多く含むとのお叱りを承知のうえで、まとめると以下の5つの仮説を設定してみたということになります。

1.資金力と信任を保持する金融事業者、そして、通貨チャンピオンが中核的な役割をもって発行する、法定通貨にペッグ(安定していること)したステーブルコインの台頭は、普及途上の仮想通貨やトークンの脅威そして機会となる可能性がある。

2.ステーブルコインが、リテールを中心としたキャッシュレス決済の手段として、銀行を通じた決済ネットワークの役割の大きな一部を代替する存在として台頭する準備が水面下で進行中である。

3.ステーブルコイン発行と台帳管理を通じたトランザクション収入は、金融事業者にとり、低金利環境での資金運用の難易度を解決し、安定的で魅力的な事業領域となる可能性がある。収入の一部をステーブルコイン保有者(コミュニティー貢献者)に還元する金利的な仕組みを設定する場合、普通口座預金の代替、かつ、気軽なキャッシュレス決済口座として、相応の人がこれを支持する可能性がある。

4.普及途上にある仮想通貨やトークンのうち、汎用的な決済手段の実現、通貨チャンピオンへの対抗を主目的とするようなプロジェクトが十分な普及を経て到達する姿は、利用者からみてステーブルコインの姿にほぼ近しく、ステーブルコインの台頭は、一部の仮想通貨やトークンをレガシー(時代遅れのもの)に追いやる可能性がある。

5.政府の後押し等により、ステーブルコインが短期(数年内)に基軸的な仮想通貨の役割を担う場合、投機的な仮想通貨の取組は急速に収斂(収縮すること)し、ブロックチェーン技術を利活用したイノベーションとして、具体的な利用価値が明らかなプロジェクトを社会に根付かせることを通じて、実経済活動での分散台帳技術の適用拡大が一足飛びに花開く可能性がある。

今回は、実経済活動での分散台帳技術の適用拡大が早期に花開く分野として、すでに大規模な顧客基盤と独自経済圏(価値交換ネットワーク)を有するプレーヤーの参入という視点から掘り下げてみたいと思います。

EOSやテレグラムのICOからの示唆

EOSやテレグラムのICOからの示唆

2017年は、数百件のICOで約4,500億円の資金調達が行われたとされています。従来のIPOによる資金調達は22兆円以上とされており、従来方式での資金調達のまだ2%程度という見方もできます。ICOは新たな資金調達手段としてトピックとなり、大きく成長期待がある一方で、各国の規制や法制度化がすすみつつ、今後、急速に成熟した環境へと移行する可能性が高くなってきたのではないか、というのが、EOSとテレグラムでのICOの違いに見受けられるように思われます。

2018年6月1日に、最大規模、かつ、最長期間のプロジェクトとして、分散台帳技術を用いたオープンソフトウェアの開発事業者である「block.one」が実施してきたICOが終了し、総額40億ドル(約4,400億円)を調達し、2018年6月2日よりメインネットがローンチされました。

何も成果物がなく、発行されたトークン(EOS)は、決済的な利用用途が想定されていませんが、イーサリアムプラットフォームより格段に優れた処理性能と台帳処理(決済)にかかわる手数料が無料である点などが訴求点なっています。将来的に様々な産業領域で活用される分散アプリケーションの基盤プラットフォームとなることを目的とし、またオープンソフトウェアとして提供されるEOSプラットフォーム上で分散アプリケーション提供するには、EOS保有者の15%以上(保有数量ベース)の賛同を得る必要があることなどをPRポイントとして、この一年間を通じて多額の資金調達を実現しました。

一方で、仮想通貨やトークンのコミュニティーメンバーを中核利用者として、すでに月間MAU(Monthly Active Users)1億7000万人、一日当たり700億メッセージのメッセンジャーサービスとしての地位を誇るテレグラムが2018年5月に実施したICOは、プライベートセールで合計17億ドル(約1,870億円)を調達したとされ、一般向けのICOの中止を決定したとされています。プライベートセールにおいては、100万ドルの資産があるか20万ドルの収入がある者、という条件があり、第1回で81人、第2回では84人の投資家が参加したとされています。

両者の違いは、なんでしょうか?

小口の個人を中心とした熱心なトークンユーザーからの直接的な小口投資をもとにICOを実施していくというスタイルから、従来のベンチャー企業への投資ラウンドに近しい形に、2018年はICOが成熟度を増し、また、何もないゼロからのスタートを行うフェーズから、すでに大規模なコミュニティーを有する事業者による参入によるICOへのシフトが起こってきているというように見受けられます。

大規模ICOを実現する要件として、すでに大規模なコミュニティーが形成され、コミュニティーが活動する大規模なメッセージ交換基盤が成立していること、そのコミュニティーに対するトークンを活用した有料課金サービスや広告サービス配信サービスが成立する見込みが高いこと、このような視点が、今後のICOではより大きく重視されるようになるのではないかと感じます。

プライベートセールを中心とした資金調達が成功し活性することの意義と変化の方向性

プライベートセールを中心とした資金調達が成功し活性することの意義と変化の方向性
最近では、グローバルな仮想通貨交換所に上場は果たしたものの、ICO時のパブリックセールを大きく下回る価格で推移する案件が散見されてきているなど、ICOは玉石混交であり詐欺的なプロジェクトも多く存在する可能性がある。このことは、どなたも異論の余地はないことと思います。

2017年に調達された4,500億円がプロジェクトの成功として紐つくことになるのか、2018年において、その結果と評価が、続々と明らかになるとされています。購入者自身がプロジェクトの可能性をホワイトペーパーから読み解き、自己判断、かつ、自己責任で投資を行うものである。このことも、どなたも異論の余地はないことと思います。

一方で、ホワイトペーパーの記載から、プロジェクトの可能性や将来性を理解し、大事な資金や資産を投資に回すという重大な判断ができ、そのリスクをとることができる人は、どの程度いるのか?

たぶん、この問いかけに対しては、みんなできるに決まっている、という意見もあろうかと思いますが、2018年に2017年のICOプロジェクトの大半が壊滅となり、投資価値がほぼ消失するようなことが明らかとなるような状況がある場合、その後のICOは2017年と同じように、幅広い個々人が投げ銭感覚で、新規のプロジェクトに投資継続できるのでしょうか?

いやいや、そんなことになったら、仮想通貨やトークンはオワコンだよ。。。そのような声も聞こえてきそうです。その可能性は、それほど高くはないかもしれませんし、低くはないようにも思えます。

非常に投資分野で著名で、数々のIPO実績や企業価値向上に参画してきた経験のある投資家が、まずプライベートセールで引き受けを行い、その後、プロジェクトの成功をみつつ取引所を通じて分売、ないしは、プロジェクト成果としてトークンが流通する段階で取引所を通じて販売する、ということが中心的になった場合には、どうでしょうか?

結果として、プロジェクトの成功確率が格段に向上し、パブリックセールにおいては、すでに目利きによりスクリーニングが完了している、また、具体的なプロジェクトの成果が顕在化しつつあるという点で、投げ銭感覚から、成熟した投資スタイルにICO自体の利活用が進化する可能性はあるのではないかと思います。

ステーブルコインの台頭とプライベートセール主導のICO方式の進化は相性がいい

リップル(XRP)CEOのBrad Garlinghouse氏によると、ビットコインはそこまで長い間、仮想通貨の「代表的な存在」にとどまっていることはなく、アルトコインが独自の道を切り開き、ビットコイン価格の変動に連動しなくなるだろう、そのようなことを発言したとされています。

プライベートセールで全量買い取りに近いリスクをとる視点からするならば、自身の投資したトークンが交換可能な基軸的な仮想通貨自身が高いボラティリティーを持ち、そのボラティリティーに対して自分が投資し保有するトークンのボラティリティーが引きずられ、大きく影響を受けてしまうことは、上場後の売り出しや、プロジェクト内で実際のサービスにおいてトークン利活用を拡大するなかで販売を行うという点では、ぜひとも避けたいという意向は、よくよくあるのではないかと思います。

ステーブルコインの台頭の可能性、プライベートセールを主導としたICO方式の進化の可能性、これらが組み合わさることは、取引所で上場を果たした際には、プロジェクト成果が一定以上に明らかで、基軸的な仮想通貨やトークンの価格変動と非連動性をもって、正当な形で投機的でない形でトークンの価値に対する評価を得ることができる可能性が格段に高まるのではないかと感じます。

日本における大規模コミュニティーのトークン発行の胎動

一定の不特定の価値交換に対する支払手段という視点でみるならば、ポイント制度的なコミュニティーを自社サービスの利用者に展開する事業者は、非常に大きな潜在力を持っているという見方ができます。

2018年5月までにおいて、LINE社、サイバーエージェント社、エイベックス社など、日本の様々な大規模コミュニティーを有する事業者が仮想通貨やトークンの発行を目指していることを表明し始めました。また、カード事業者のポイント流動性と活用度向上、福利厚生ポイントの活用度向上のために、分散台帳を利活用したトークン化という手法は有意義な可能性があるという議論が聞こえ始めています。

ポイント制度的なサービスと仮想通貨やトークンの違いは大きくない

ポイント制度的なサービスと仮想通貨やトークンの違いは大きくない
ポイント制度的なサービス(電子マネーを含む)と仮想通貨やトークンの違いは明らかで、全然違うものである、というお叱りを受けるかもしれませんが、一歩引いて冷静な眼でみるならば、仮想通貨やトークンの違いは、振る舞いとしては、ポイント制度的なサービスは直接的に法定通貨との双方向での交換ができないように制限がある点、また、他の人に自分が保有する価値の証票を譲渡するということができないように制限がある点、そのくらいしかありません。

仮想通貨やトークンには、価格変動のボラティリティーがあるというご指摘を受けると思いますが、仮想通貨やトークンが十分に普及進化し、不特定の価値交換に用いられる際には、ステーブルコインのようになるということは、第一回のコラムにおいて「ステーブルコインの姿は、汎用的な支払い手段としての通貨としての振る舞いを目的とする仮想通貨やトークンのいわゆる最終形のようなものと捉えることもでき」る、とさせていただいたとおりです。

ポイント制度的なサービス(電子マネー含む)を、技術的な基盤として分散台帳技術に適用した形にリニューアルし、法定通貨との双方向での交換ができるよう制度変更し、他の人に自分が保有する価値の証票を譲渡するということができるように制度変更することは、それほど難易度が高くないことは、一部の法制度の見直しは必要な可能性はありますが、官民挙げて取り組むことが叶うなら、非常に実現難易度が低いことは、どなたもご理解いただけると思います。ステーブコインの台頭の可能性を含め、ポイント的な制度のトークン化の促進という視点は、2018年5月22日に開催された、金融庁主催の「仮想通貨交換業等に関する研究会(第三回)」の資料には、そのような可能性をたぶんに含んでいるように感じますので、ぜひご覧いただければとおもいます。

金融庁主催:「仮想通貨交換業等に関する研究会」
https://www.fsa.go.jp/news/30/singi/kasoukenkyuukai.html

今回は、今後の仮想通貨やトークン市場の成長進化の方向性について、大規模コミュニティーを有するプレーヤーの参入と台頭という可能性の視点を中心に据え、ICOでの資金調達方式の成熟化、ポイント制度的なサービスコミュニティーの参入と台頭の可能性について、少し掘り下げた示唆をご説明いたしました。

次回は、プライベートセールが主導するトークンセールについて、トークンセールの在り方がどのようなものとなる可能性があるのか、また、変化の方向性を踏まえ仮想通貨交換業はどのような業態に変化する可能性があるのか、非常にセンシティブな時期でもございますので、どこまで書かせていただけるか、少し不安はあるのですが、私どもDMM Bitcoinのありようにも大きく影響することでもあり、しっかりとお伝えしたいと思います。

DMM Bitcoinの口座開設方法はこちら

 - coinchoice

オススメ海外取引所:
Binance←○取扱い通貨膨大、手数料最安 △海外取引所(取引量は世界一)
Bitmex←○取扱い通貨膨大、手数料10%OFF ○海外取引所(日本語表示、レバレッジ倍率が高い)
COINEXCHANGE←○NANJCOIN買いたいならココ

▼バイナリーオプションするならココ▼
バイナリーオプション